1973年頃に、竹内博さんに会って、日本特撮の名作の調査、研究も大事だが、今現在のがんばっている日本特撮の現場の取材、レポート、批評もやるべきではないかということを何度も話しあった。10年も経ってから、ほめたって意味がない。旧作の研究は「円谷英二の映像世界」「東宝特撮映画全史」「ファンタスティック・コレクション」と続けながら、同時に、新作の特撮映画の撮影現場と監督、撮影スタッフの取材を少しずつ始めていった。そうした文章を旧作のビデオ、LDの解説も含めて、ここに再録していくことにした。
製作当時のライブの取材、情報なので、今日の目で見ると、少し違う情報もあるのだが、公開直前、あるいは公開直後のライブ情報の文章であるのを理解してほしい。雑誌ライターとして、私は大伴昌司氏の流れを継ぐつもりもあった。自分流の「トータルス・コープ」を意識した。竹内博さんも同じ思いがあったと思う。「宇宙船」「スターログ」ともに、1ヶ月、2ヶ月の間、撮影所や製作会社、監督はじめスタッフを訪ねて、走り回ってエネルギッシュに取材して書いた文章ばかりである。10年、20年も経ってから書く、DVDを見るだけで書く文章と少し違うと思う。
【2018年1月11日記】